【読み書き障害】学童期の支援に向けて
【寺子屋ことだま】では、読み書きが苦手なお子さんに対しての学習支援も行っています。
パッと見、学習塾というか、家庭教師というか、マンツーマンの勉強会のようにも見えますが、塾とちょっと違うのは、言語聴覚士的視点が入る事でしょうか。。
読み書き障害~発達性ディスレクシア
いろいろな言い方があるので、それ自体が混乱の元だとは思うのですが、とても大雑把に説明をすると「知的な発達には問題がないけれど、読み書きが『ちょっと苦手』を通り越して困難な状態」です。
脳の機能から考えてみると、脳には「ブローカ野」とか「ウェルニッケ野」などといった、ことばを管理する部分があって、例えばそういった場所が、脳卒中やケガなどで損傷すると、「失語症」という、ことばの「聞く」「話す」「読む」「書く」がうまくできなくなってしまう場合があります。
対して、今回の話題である「読み書き障害(発達性ディスレクシア)」は、脳が後から傷ついて生じるものではないことと、「話しことば(聴く)(話す)」は特に問題がありません。(ただし、例えばADHDやASDなどの別の発達の問題を合併するという事はあり得ますが、対策を考える上では、一旦分けて考えます)
文字の入り口、出口であるところの「読み書き」
つまりどういうことかというと、「文字」というツール(記号)の入力・出力のところで不具合があるのであって、大本の「ことばを取り扱うこと(表出の大本、理解の大本)」に不具合があるわけではないという事です。
では、どうしたら良いか?
入力、出力の部分をサポートすれば、理解できるし表現もできる
ということになります。
ちょっと、空をつかむようなところもあるので抽象的でわかりにくいところかもしれません。
具体的には
「読む」:自分で文字は読めないけれど、読んでもらえれば理解できる
「書く」:自分で文字は書けないけれど、書いてもらえれば表現できる
ということになります。代読、代筆や、最近のICT活用で、iPadなどで「読み上げ機能」や「音声文字変換」「キーボード入力」を使う事で対応することができる場合が多々あります。
キーボード入力のススメ
字が書けないのに、キーボードで入力なんて・・・と思うかもしれませんが、実は、キーボード入力は、文字が読めなくても、書けなくても練習すれば使えるようになります。
細かな説明は難しくなるので省くのですが
「キーボード入力」は、「運動」だからです。
「あ」という文字を入力する時、ローマ字入力であれば、左手の小指で。
「さ」と入力するのなら、左手の「薬指」→「小指」の順で
など。
入力は、一定の法則性のある運動です。ブラインドタッチとはよく言ったもので、目を閉じていても入力はできますし、キーボードに何も書いていなくても、文字をどんどん入力していく事は可能です。
もちろん、練習は必要ですが。
本人の努力の問題ではない
何より、絶対的に忘れてはいけないのは、文字を書けない、読めない、苦手だという事は、本人の努力の問題ではないということです。
視力が0.01の人に対して「道具を使うのはずるいから、眼鏡をかけてはいけない」とは言わないわけです。学校を始めとして、様々な場面で「平等性」とか「公平性」というさも大義名分があるような言い訳をして、合理的配慮をうけられないという話をよく聞きますが、こうした様々な支援は「学び」のスタートラインをきちんと提供するということであり、むしろ、そうした配慮をして可能な支援をしていくことが「平等」「公平」であると言えるのです。
iPadを使う事が全てではないですが、
「読み書きが苦手」なら、人の10倍、100倍練習しなさい!
ではなくて、どうすれば、より楽に文字の入出力の壁を取り払えるかを考えるのが、合理的配慮ではないでしょうか。

