口や喉などの力が弱くなることで起きる「摂食嚥下障害」。
ご飯を食べたり、飲み物を飲んだ時にむせてしまったりして、上手に飲み込めなくなる状態です。
脳卒中などの後遺症として起こる事もありますが、だれもが、加齢による筋力低下や感覚低下によって多かれ少なかれ向き合っていかなくてはならない体の変化の一つでもあります。
この摂食嚥下障害の対処法の一つとして有名なのが
「水分にとろみをつけること」です。
詳しい解説はともあれ、ざっくり言うならば、普通の水分よりもゆっくりした流れを作る事で、飲み込みの力が弱くなった状態でも、あわてずに落ち着いて飲み込むことができる状態にする、というのが大きなコンセプトです。
ただ、残念ながら、水分にとろみをつけるという事は、簡単な事ではありません。
技術的なことではなく「精神的に」です。
技術的な事を言えば、水分に、必要量の「とろみ剤」を入れてかき混ぜることで完成です。
しかし、今まで当たり前のようにして飲んでいた水やお茶に、とろみがつくということは、思った以上に気持ちを落胆させてしまう事が多いように思います。
ただ、ここでは、
「とろみをつけなくてもよくするためのリハビリ」
ではなくて、
「おいしい、たのしいとろみ生活」
を考えていけたらなというのがコンセプトです。
リハビリの目標として、とろみをつけずに水分を飲むことや、食事の形を、元の形に戻していくことは大いに前向きに取り組んでもらいたいことです。
が、今現在、とろみをつけなければならない状態を、ただただ、苦痛なまま過ごすということは、生活に潤いがありません。
とろみが必要
ということは、ひとまず受け入れていくとして、とろみをつけつつも、美味しく、楽しく食生活を過ごしていく方法を考えたいものです。
ウイスキーを、とろみで
きっかけは、「最期まで酒は飲みたい」というとある方の声がきっかけでした。
食事形態に制限のある状態で、でも、お酒を楽しむにはどうすればよいか?
お酒にとろみをつけて、美味しく飲めるのか?
ということで、実際にチャレンジしてみました。
結論。
美味しかった!
動画の中でも話していましたが、美味しいとろみ料理であれば、いっそのこと、その場のみんな同じもので乾杯というのは、アリだろうなと思うのです。
注意点としては、
基本的に、お酒を飲んでよいか?栄養制限がないか?どれくらいのトロミが必要か?などの個々の管理については、各自の主治医や言語聴覚士にご相談ください。ここでは、「中間のとろみをつける」ということだけに生痰をしぼっています。
もちろん、飲みすぎ、注意です。
今回使ったとろみ剤は、こちら。
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